「スマートウォッチをつけている人をよく見るけど、結局何ができるの?」──そんな疑問を持ったら、まずはこの記事を読んでください。
今のスマートウォッチは、ただの「しょっちゅうバッテリー充電が必要な腕時計」ではありません。通知の確認、健康管理、睡眠や運動の見える化まで、手首ひとつで生活が変わると言っても言い過ぎではないほど進化しています。
本記事では、スマートウォッチとはどういうもので、どんな機能があり、どう選べばよいかをわかりやすく解説します。
スマートウォッチとは
スマートウォッチとは、スマートフォンと連携して素早く通知を把握できて、日々の活動を計測して生活の質を高められる腕時計です。スマートウォッチは、ウェアラブルデバイス、あるいは、スマートデバイスの一つに分類されます。
Wikipediaでは、スマートウォッチの起源は1972年、高級時計の製造で知られていたハミルトン社が発売した「パルサー」とされています。しかし、これはデジタル表示式の腕時計として世界初だったものの、現代の私たちがイメージするようなスマートウォッチとは異なる腕時計です。
パルサーの発売以降、電話番号のメモリー機能やストップウォッチなどの機能を搭載したデジタル腕時計が競うように開発されました。日本では、パルサーブランドを買収したセイコーや、データバンクシリーズやGショックシリーズで知られるカシオといったメーカーが市場を牽引します。
スマートウォッチと呼ばれる腕時計の登場は、2015年のアップルウォッチが最初です。スマートフォンの普及やセンサーの小型化技術の進化により、初代アップルウォッチは、スマートフォンの通知表示や心拍計測、歩数や消費カロリー計測、音楽再生のコントロールといった機能をすでに実装していました。複数の調査によると、初代アップルウォッチは初年度で1,200万台以上販売されたといいます。
アップルウォッチ以降、世界中の先端企業がスマートウォッチを開発・販売しています。2025年時点で、世界中のスマートウォッチユーザー数は4億5,469万人に達しています。この数字は、2023年の3億2,399万人から41%増加した計算になります。
スマートウォッチの主な機能

スマートウォッチには、日常生活の質を高める便利な機能が多く搭載されています。まずは代表的な機能を見ていきましょう。
素早い時刻確認
スマートウォッチは、従来の腕時計と同様スムーズな時刻確認が可能です。特にスマートフォンをポケットやバッグから取り出す手間を省けるため、仕事中や移動中など、すぐに時間を知りたい場面で重宝します。
スマートウォッチを初めて購入する人が気になることの一つが、バッテリーの持ちです。従来の腕時計と比べると、スマートウォッチはバッテリーの持続時間が短いのは事実です。
しかし、 スマートウォッチの多くの機種では、ディスプレイを常時オンにするだけでなく、ディスプレイには何も表示されない状態にしておき、腕を傾けて時計を見る動作を取るとオンになり時刻が表示される機能が備わっています。これにより、スマートウォッチの消費電力を抑え、充電の頻度を下げることができます。
多くのスマートウォッチは液晶や有機ELディスプレイを採用しており、暗い場所でも時刻確認がしやすい点は、従来の腕時計に勝る長所です。
また、スマートウォッチは文字盤(フェイスデザイン)も自由に変更できる機種が多く、アナログ風やデジタル式、天気や心拍、歩数などのデータも一緒に表示することもできるため、用途や気分に応じて使い分けることができます。
スマートフォンの通知チェック
スマートウォッチはスマートフォンと連携し、LINE等のチャットアプリやメール、SNS、電話などの通知をリアルタイムで手元に表示してくれます。これにより、スマホを取り出さなくてもメッセージの着信に気づくことができ、通知に対するレスポンスを取りやすくなります。
スマートウォッチユーザーの話を聞くと、例えば、会議中や運転中、混雑した電車内など、スマホを操作しにくい場面でその利便性を感じると言います。また、通知の種類やアプリごとに表示のON/OFFを設定できるため、すぐ知る必要がある情報だけをチェックできることでもスマートウォッチは評価されています。
見逃したくない通知を逃さずキャッチできるのが、スマートウォッチの大きなメリットです。
健康管理

スマートウォッチは単なる通知端末ではなく、日々の体調や生活リズムを数値化し、健康維持や体調管理をサポートしてくれる頼れる相棒です。ここでは、具体的にどのような健康管理機能があるか見ていきましょう。
心拍数計測
スマートウォッチの基本的な健康機能の一つが心拍数の計測です。多くのモデルでは、光学センサーを使って1分あたりの心拍数(BPM)をリアルタイムで測定できます。
安静時と運動時の心拍数の違いから、運動負荷の状態やストレスレベルを知る手がかりになります。また、異常に高い、あるいは低い心拍数が検知された場合にアラートを表示してくれる機能もあり、早期の健康リスク察知にもつながります。
例えば、心臓関連の病気や貧血、熱中症の際に、心拍数が異常値を示すことがあります。
スマートウォッチは、現在の心拍数がわかるだけではありません。心拍数の履歴をスマートウォッチと連携させたスマートフォンのアプリで残すこともできます。
スマートウォッチの心拍数計測機能は、健康リスクを把握し、早めの対策や改善に役立てることができます。
歩数計測
スマートウォッチには歩数計測機能が搭載されており、その日に何歩歩いたのかを自動的に記録してくれます。
歩数は1日の運動量を把握する数値として最も基本的なデータの一つです。例えば、日本の厚生労働省が策定した国民の健康指針「健康日本21」では、1日平均歩数の目標が男性は9,200歩、女性は8,300歩と定められています。1,000歩は約10分の歩行に相当し、距離にして約600〜700m。つまり、男性は約90分(約6,000m)、女性は約80分(5,500m)歩くことに相当します。
こういった健康づくりの目標に対して、スマートウォッチがあれば「今日はあと〇〇歩歩こう」といった目標を立てることで、自然と運動意識も高まります。
スマートウォッチと連動させたスマートフォンアプリでは、歩数の履歴を見ることができます。歩いた時間帯も合わせて記録されるため、日々の活動パターンを可視化しやすく、自分の生活リズムや運動習慣を振り返るのに役立ちます。
歩行は、血流改善や代謝向上、ストレス軽減にもつながります。毎日の積み重ねが将来の健康を支えます。
消費カロリー計測
日常生活や運動によって消費されたカロリーを計測する機能も、多くのスマートウォッチに搭載されています。
ユーザーが登録した年齢、性別、身長、体重などのデータと、心拍数や加速度センサーのデータをもとに、自動でカロリー消費量を推定する仕組みです。
ダイエット中の人や体重管理をしている人にとって、消費カロリー計測は重宝する機能となります。日々の消費カロリーを把握することで、食事とのバランスを見直すきっかけにもなりますし、健康的な生活習慣の形成にも貢献します。
睡眠モニタリング
スマートウォッチをつけたまま眠ることで、睡眠の質やリズムを記録・分析できる睡眠モニタリング機能は、多くのユーザーから支持を集めています。
スマートウォッチに内蔵された心拍センサーや加速度センサーが、就寝時刻や起床時刻、睡眠時間を自動で計測。さらに、「レム睡眠」「ノンレム睡眠」といった、睡眠のステージを分類して、それぞれの時間や推移をスマートフォンアプリに記録します。
スタンフォード大学医学部精神科教授で、同大学の睡眠生体リズム研究所の所長でもある西野精治博士の著書『スタンフォード式 最高の睡眠』では、睡眠の質は眠り始めた最初の90分で決まるとされています。この時間帯には、ノンレム睡眠の中でも最も深いものになりやすく、脳と体の回復が最も効率よく行われるといいます。
こうした重要な時間帯の睡眠状態をモニタリングすることで、睡眠の質を把握でき、改善ポイントが見つかりやすくなります。睡眠の傾向を可視化することで、自分に合った生活リズムの調整や、睡眠改善のヒントを得ることができるのです。
特に、不眠や寝起きの不快感に悩んでいる人にとっては、スマートウォッチの睡眠モニタリング機能が大きな助けとなっています。
ストレスレベル計測
一部のスマートウォッチには、心拍の変動や呼吸のパターンなどからストレスレベルを推定する機能も搭載されています。
ストレスは自覚しにくいものですが、こうした数値として見える化することで、心身の変化に気づきやすくなります。
高いストレスレベルが継続している場合には、呼吸ガイドやマインドフルネスの提案をしてくれる製品もあり、日常的なメンタルケアにも役立ちます。
生理の記録と予測
女性の健康管理に役立つ機能として、スマートウォッチには生理周期の記録と予測機能が搭載されているモデルがあります。
スマートフォンのアプリと連動させることで、月経の開始日や終了日、体調の変化などを簡単に記録することができ、次回の生理予定日や排卵日の予測も行えます。
日本では、生理の話題は文化的にタブー視されてきた歴史がありますが、近年では、女性の社会進出や女性YouTuberの情報発信、IT企業によるフェムテックと呼ばれる一連のデバイスやアプリにより、生理の話題は受け入れられてきています。
個人差のある生理周期を継続的に記録することで、アプリが傾向を学習し、より正確な予測が可能になります。また、PMS(月経前症候群)などの不調に気づきやすくなる点でも、多くの女性にとって有用なサポート機能です。
血中酸素レベル計測
血中酸素濃度は、体内にどれだけ酸素が取り込まれているかを示す指標です。対応するスマートウォッチがあれば、直接血液を採取して分析をせずとも、光学センサーを使ってこの数値を測定することができます。
正常な範囲は一般的に95〜100%とされ、これを下回る数値が続く場合は、呼吸器系や循環器系の異常が疑われることがあります。
この機能は、運動後の体の回復状態を確認したい時や、高地での活動、睡眠中の無呼吸の兆候をモニタリングしたい場合にも便利です。
スマートウォッチユーザーの中には、風邪やインフルエンザ、コロナなど、呼吸機能に影響を及ぼす症状がある時にも、この機能を使って簡易的に状態を測っている人もいます。
スマートウォッチで血中酸素レベルを定期的に測定を行うことで、自分の呼吸状態の傾向を把握し、早期の体調異変にも気づきやすくなります。
血圧計測
近年では、血圧の推定値を測定できるスマートウォッチも登場しており、高血圧などの生活習慣病予防に役立つ機能として注目されています。
スマートウォッチの血圧計測機能は、心拍の変化から血圧を推定する仕組みです。アプリと連動することで、毎日の記録をグラフで確認でき、血圧の変化を見える化することができます。
医療用の血圧計と比べると精度には限界があるものの、日常的な傾向の把握や、高めの数値が続いた際の早期発見には有効です。
特に、普段血圧を測る習慣がない人や、自宅でこまめにチェックする時間がない人にとっては、スマートウォッチの血圧計測機能は、負担なく健康意識を高めるきっかけになります。
血糖値計測
血糖値のモニタリングは、糖尿病予防や健康管理にとって非常に重要な指標です。一部のスマートウォッチは、この血糖値の計測機能が搭載されています。
スマートウォッチのセンサーが皮膚の水分や光の反射などを解析し、グルコース濃度の変動を読み取ることで、血糖値を算出します。
2025年7月の段階では精度にまだ課題があると指摘する声もあり、疾患の治療目的で使うには注意が必要ですが、およその目安として日々の傾向を記録することで、自分の生活習慣の見直しや食事内容の調整につながり、糖尿病リスクの予防にも一役買います。
スマートウォッチによる血糖値計測は、今後の技術進化により、さらなる精度の向上が期待されています。
スマートな運動

日常の運動を効率よく行うために、スマートウォッチはデータの記録と分析で強力にサポートしてくれます。動きに無駄がなくなり、成果が「見える」運動が可能になります。
各種アクティビティー時のバイタルデータ記録と分析
スマートウォッチは、ウォーキングやランニング、サイクリング、登山、さらにはスイミングなど、多様なアクティビティに対応しています。運動中はリアルタイムで心拍数や消費カロリー、運動時間、歩数などのバイタルデータを計測・記録してくれます。
特に心拍数は、運動強度や脂肪燃焼ゾーンを把握する目安となり、ダイエットやトレーニングの助けとなります。データはスマートフォンのアプリに保存されるため、過去の記録と比較して効果の変化を分析することもできます。
運動後に数値として成果を振り返ることで、モチベーションの維持や次の目標設定にもつながります。自分の身体の反応を見える化できる点が、スマートウォッチの大きな魅力です。
ルートの記録とナビゲーション
GPS機能を搭載したスマートウォッチでは、運動中の移動ルートを正確に記録することができます。特にランニングやサイクリング、登山といった有酸素運動では、どこをどれだけ走ったか・歩いたかが視覚的に確認できるため、活動の質が大きく向上します。
走行距離やペース、標高差なども同時に記録されるため、自分のトレーニングの傾向や得意・不得意な地形の把握にも役立ちます。記録したルートはアプリ上で保存され、運動系のSNSに投稿することもできます。ルートの共有を通じてトレーニング仲間と楽しく交流することで、運動のモチベーションを保ちやすくなります。
一部のスマートウォッチには地図機能やナビゲーション機能が搭載されており、あらかじめ設定したコースをガイドしてくれるものもあります。知らない道でも迷わずに走れるため、新しいコースや観光地でのアクティビティも安心して楽しめます。
音楽プレーヤー操作
スマートウォッチを使えば、スマートフォンと連携した音楽の再生・停止・スキップ・音量調整などを手元で操作できます。ワークアウト中や通勤中、カバンやポケットからスマホを取り出さずに操作できる点が大きな利点です。
特にBluetoothイヤホンと併用することで、完全にスマホレスで音楽を楽しめる場面も増えています。さらに、ストレージ機能を備えたスマートウォッチであれば、SpotifyやApple Musicなどのプレイリストを事前に同期し、本体だけで再生可能なモデルもあります。
たとえばランニング時、「テンポの良い曲に飛ばしたい」と思った瞬間に、スマートウォッチをタップするだけで切り替えが完了します。スマートフォンを取り出し、ロックを解除して音楽アプリを開いて…という手間がかからないため、リズムや集中力が崩れにくくなり、日常のストレス軽減にも一役買います。
天気情報のチェック
多くのスマートウォッチには、現在地の天気をリアルタイムで確認できる機能が搭載されています。気温、湿度、降水確率、風速、紫外線指数などの情報も、手首の画面をタップするだけでチェック可能です。
例えば「出かけようと思ったら雨が降りそう」「ジョギング前に気温を確認したい」といった日常の判断に役立ちます。また、1時間ごとの天気変化や週間予報に対応したモデルも多く、より詳細な計画にも活用できます。
天気は行動を左右する重要な情報です。スマートウォッチで気軽に確認できるようになれば、傘を忘れずに持ち出したり、服装選びに失敗しないといったように、生活の質が高まります。天気情報の表示は、画期的な機能ではないかもしれませんが、実用性の高い機能です。
スマートウォッチのおすすめの選び方

スマートウォッチは多機能なだけに、選ぶポイントを押さえておかないと自分に合わないモデルを選んでしまい後悔しがちです。ここでは選ぶ際の3つの視点をご紹介します。
重視する機能から選ぶ
まず重視すべきは「何に使いたいか」という目的です。健康管理がしたい人は、心拍数や睡眠、血中酸素などの生体データを測定できるモデルを選びましょう。運動を重視するならGPSや防水機能や軽さ、アクティビティトラッキングといった点に注目して比較検討しましょう。
また、スマートフォンの通知確認が目的であれば、画面の視認性やバイブレーションの強さなどもチェックポイントになります。音楽再生やキャッシュレス決済に対応した機種もあり、ライフスタイルによって必要な機能は大きく異なります。
スマートウォッチは「全部入り」が便利とは限りません。自分が毎日使う機能を明確にすることで、過不足のない最適なモデル選びが可能になります。
予算で選ぶ
スマートウォッチの価格は、エントリーモデルなら5,000円前後から、ハイエンドモデルでは40万円を超えるものまで幅広く存在します。予算に応じて選ぶことは、満足度の高い買い物をする上で非常に重要です。
例えば、1万円以下のモデルでも歩数計測や通知機能、睡眠トラッキングなど基本機能は十分に揃っています。一方で、Apple WatchやGarminなどの高価格帯モデルでは、心電図測定、皮膚温センサー、より高度な運動解析などが可能になります。
予算で選ぶ場合、まずは予算を決め、その範囲で求める機能や好みのデザインのスマートウォッチを探しましょう。もし、気に入るものがなければ、予算に対して多くを求めすぎているかもしれません。その場合は、機能を絞るか、予算を見直すかのどちらかになるでしょう。
デザインで選ぶ
スマートウォッチは日常的に身につけるものだからこそ、デザイン性も重要なポイントです。いくら高機能でも、見た目が気に入らなければ長く使い続けることは難しくなります。
デザインの選び方にはいくつかの視点があります。たとえば、ビジネスシーンに合う落ち着いたアナログ風フェイス、スポーツ用途に適した軽量でラバー素材のバンド、カジュアルな場に映えるカラフルなデザインなど、使いたいシーンや自分のキャラクターに合ったものを選びましょう。
また、フェイスの大きさや厚み、バンドの素材・交換のしやすさも重要です。毎日身につけるからこそ、「見た目が好き」「着け心地がよい」と感じられるデザインは、機能性と同じように満足度を左右するポイントです。
おすすめのスマートウォッチはMibro
ここまでスマートウォッチについて、その機能や選び方をご紹介してきました。
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